高精度なRTL電力解析による効果的な電力削減環境の実現

低消費電力化は重要な設計課題の一つとなっており、今日では様々な電力削減技術が存在し、如何にそれらの技術を効果的に採用するかが重要となります。実際の設計ではどのような対応を、または設計のどの段階で電力解析が行われていますでしょうか。早期段階に電力解析を行うことが電力削減の一つの鍵となり、早期に電力解析結果をRTLにフィードバックかけることでより効果的な結果が期待できます。しかしながら、RTLレベルでの電力解析はまだまだ設計現場において浸透していない現状があります。その理由として、RTL電力解析ツールは存在するものの、解析精度や処理時間、検証ツールとの連携が薄いなど、幾つかの課題が挙げられます。ゲートレベルで電力解析を行えば精度は良いですが、設計後半の段階でRTLにフィードバックをかけても日程的に大幅なRTL修正は難しくなります。RTL設計初期の検証段階で電力解析結果をフィードバックすることで、RTL修正による電力削減の対応が取り易くなりますが、RTLレベルでの電力解析ということで精度面において不安が残ります。昨年発表されたケイデンスのRTL電力解析ツールJoules™ RTL Power Solution(以下、Joulesと呼ぶ)はそれらの問題を解決し、消費電力削減に向けた取り組みにおいて大きな役目を果たします。

図1 電力解析結果のフィードバック

Joulesはケイデンスの論理合成ツールであるGenus™ Synthesis Solutionの合成エンジンを搭載しており、プロトタイプ合成を高速に実施し、またレイアウトで行われるクロック・ツリー・バッファーや最適化で挿入されるバッファーを考慮することでサインオフツールとの誤差は15%以内と非常に高精度で、RTLレベルの電力解析を現実的なものとします。解析機能も充実しており、インスタンス、カテゴリ、クロック・ドメイン毎など多種の詳細レポート出力が可能で、電力削減を検討するにあたってフォーカスすべきポイントの絞り込みを行うことができ、効率的な対応が可能となります。また、クロック・ゲーティング挿入効果のレポート出力も可能で、より効率的なクロック・ゲーティング挿入を検討できます。これらの情報を設計初期段階で確認できることにより、効率的なRTL改善検討が行えます。

図2. Power Report(by Category)画像をクリックすると拡大表示されます

図3. ICGC Efficiency  Report画像をクリックすると拡大表示されます


Joulesのもう一つの特徴として、ケイデンスが提供するPalladium® XP(以下、Palladiumと呼ぶ)との連携があります。Palladiumが出力する波形データをPHYファイル形式でダイレクトにアクセスすることで、他のファイル形式への変換が不要となりフローが非常に簡素化されます。また、PalladiumJoulesの連携でシステムレベルでのトグルピーク値ではなく真のピーク電力をより高い精度で検出が可能となります。さらにSHMファイル形式のサポートによりIncisive® Enterprise Simulator(IES)との連携を深め、論理設計者や論理検証担当者による電力解析をより身近なものとします。今後、高位合成ツールとの連携も深めることでさらに設計初期段階からシステムレベルでより大きな電力削減効果が期待できます。

図4. Palladiumデータベースへのダイレクトアクセス画像をクリックすると拡大表示されます

図5. Toggle/Power波形表示画像をクリックすると拡大表示されます

 

Joulesをお使いいただくことで、RTL設計早期の段階で高精度な電力解析が可能となり、設計後半で発覚する消費電力の問題を未然に回避できます。そして、目標とする消費電力の達成に向けた対応を効率よく行うことが可能となります。

フィールドエンジニアリング&サービス本部
デジタル&サインオフ
リードAE
高畠 剛

7月15日開催 CDNLive Japan 2016では、Joules RTL Power Solutionの事例発表、デモをご紹介します。詳細はこちらより

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