リジッドとフレキシブル基板で構成されたリジッドフレックス基板は、さまざまな小型電子製品の内部にあります。フレキシブル基板 (フレックス/リジッドフレックス) は、ウェアラブル、モバイル、軍用、医療機器など、小型フォームファクタと軽量性を必要とする様々な製品を作ることが可能です。Cadence® Allegro® and OrCAD® 17.2-2016 リリースでは、自動車、コンシューマエレクトロニクス、コンピューティング、通信、モバイル、そしてウェアラブルアプリケーションで一般に使用されているフレックス、およびリジッドフレックス設計のイテレーションを最小化し、全体的なコストを削減するいくつかの新機能を提供します。
リリースに含まれるキーフレックスおよびリジッドフレックス機能:
フレックス、およびリジッド フレックス設計向けゾーン毎のスタックアップ
リジッド - フレックス - リジッド構造を表現する新しいCross-Section Editorにより複数のゾーンが作成可能です。ゾーンはCross-Section Editorで作成されたスタックアップに設計領域をマッピングするために利用されます。ゾーンには、自動的にキープアウト、コンストレイント領域やROOMが含まれます。この拡張定義と相まっての設計ルールは、正しい構造での設計を保障します。リジッド - フレックス - リジッド設計の正確な定義をIDXデータ交換によりMCADシステムに継承することで、機構CAD – 電気CAD間の不要な繰り返し作業を削減します。
リジッドフレックス設計向けのレイヤー間チェック
製造業界が顧客のニーズに応じてイノベーションを産み出している状況では、フレックス、およびリジッドフレックス設計の導電レイヤーと非導電レイヤーの数は増える一方です。このようにさまざまな種類の素材と、設計者に課される関連ルールの増大によって、リジッドフレックス技術の進歩を活用するためにプリント基板設計者の作業量が増加しています。
Allegro PCB Editorで導入された新しい設計中のレイヤー間チェックにより、2つの別のレイヤーのジオメトリをチェックできます。通常、プリント基板設計では、マスクや表面処理に複数の種類があり、適切なクリアランスやカバレッジの検証が必要になります。リジッド フレックス設計には、同様のマスクや表面処理の要件に加え、ベンド領域、補強板などが必要で、そのため素材の特殊なクリアランスや重なり、スペーシング、設計特性が必要になります。複数のサブクラスに表示されるこれらのオブジェクトにはレイヤー間の検証が必要ですが、これらをレイヤー間チェック機能がサポートします。
レイヤー間チェック機能は、マスク レイヤー対表面メタルに加えて、マスク レイヤー対マスク レイヤーのジオメトリのチェック向けに設計された新しいDRCエンジンが実現します。次のチェックが可能です:
- カバーレイからパッド
- マスクからパッド
- 貴金属からカバーレイ
- 曲がり領域 / ラインから補強板、コンポーネント、ピン、ビア
Allegro PCB Editorは、新たに12のレイヤー、19の表面処理を導入しており、ユーザーが定義したクリアランスや指定した重なりを使ったレイヤーのチェックが可能です。チェックを有効にすると、レイアウト作業中にフィードバックを受けることで、設計、検証、再設計の繰り返しを回避できます。
輪郭 (Contour) と円弧を意識した配線機能の強化
Counter配線機能は、既存の接続線や保存された配線にならうことにより、Add Connect(接続の追加)機能の実行中に配線を追加する効率的な方法です。この機能は、従来のContour配線機能から次々に表示される対話式画面のポップアップを削除し、改良したもので、キャンバスベースのシンプルな2クリック方式モデルを採用した既存配線の押しのけが可能です。非輪郭配線と輪郭配線間の切り替えは、直線や円弧コーナーで円滑化されています。
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