タイミング制約サインオフ
SoCは、サブシステムを組み立てることで階層的に構築されており、サブシステムは、従来の設計と多くの市販IPで構成されています。独自のタイミングを考慮した目標に基づいてIPと各タイミング制約が開発・検証された後に、サブシステムとSoCが実現化されます。サインオフ品質のタイミング制約の収束には、IPレベルでのタイミング制約の正確性と完全性の検証と、SoCレベルでの整合性の検証が極めて重要です。
このようなタイミング制約サインオフの要件に対処するため、Conformal Litmusには一連の埋め込みルールが豊富に備わっており、タイミング制約の欠落、タイミング例外のオーバーラップ、IPレベルでの競合といった問題を検証します。IPレベルのタイミング制約意図がSoCレベルのタイミング制約意図と整合していることも確認します。
Conformal Litmusのスマート分析では、デバッグ時間の短縮につながる正確な疑似エラーの少ないのレポートが生成されるため、サインオフ品質のタイミング制約の迅速な作成に役立ちます。
タイミング制約の等価性
設計がRTLから最終的なレイアウトに移行する段階で、タイミング制約が変換され、改良が複数回おこなわれます。タイミング制約は、RTLから最終レイアウトまで設計が進むにつれて、何度も更新され、改良がおこなわれます。この過程において、設計とタイミング制約の変更により、元の意図が失われる可能性があります。
たとえば、クローニング、デクローニング、バッファリングのような論理最適化が行われると、タイミング制約が持つ本来の設計意図を壊してしまう恐れがあります。ECOの論理変更では、タイミング例外制約が誤って影響を受けてしまう可能性があります。
論理等価性検証では、インプリメンテーションステップの前と後で設計意図が変わっていないことを証明できます。しかし、設計者は、タイミング制約の設計意図が同じであることも検証する必要があります。このようなタイミング制約の等価検証が実行されない場合、スケジュールの遅延が生じたり、コストに影響があるリスピンが発生したりする恐れがあります。
Conformal Litmusにはタイミング制約の比較機能が備わっています。この機能により、インプリメンテーションフローの前ステップのタイミング制約が、後続のステップでも同じ意図で設定されていることを確認できます。これらの確認は、テープアウトまでのすべての段階のステップ間で、タイミング制約と設計意図が保持されていることを確認するために必要です。
CDCサインオフ
SoCシステムには、相互に非同期なクロックドメインで動作する、インターフェイスとサブブロックが複数備わっています。設計には非常に複雑な非同期のクロックスキームがあります。このスキームは、設計フローの全ての段階で検証しなければなりません。検証されない場合はこれらの交差は壊滅的で、コストがかさむチップのリスピンにつながる可能性があります。
Conformal LitmusのCDCサインオフは、初期RTLからインプリメンテーションまでのフローで、非同期クロックドメイン間のCDC構造の正確性を検証します。