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The Sound of Cadence
Volume 32, May 2020
次世代FPGAプロトタイピング Protium X1のリモートアクセス機能
Intelligent System DesignとProtium X1
最近のモバイル、コンシューマ、自動車など様々な分野において、大規模なデジタルへの転換が起こっています。エッジからクラウドに至るまでAIが活用され、特定のアプリケーション要件に対応するために、専用LSIが開発されています。この新たなトレンドに呼応するために、ケイデンスは会社戦略を拡張し、「Intelligent System Design™」という新たなビジョンを掲げ、次のステージに向かっています。 ケイデンスのProtium™ X1 Enterprise Prototyping Platformは、Intelligent System Designを支えるエンタープライズ・プロトタイピング・プラットフォームです(図1)。
Protium X1アーキテクチャーは、数十億ゲートクラスのAI、5G向けチップから、IoTチップやIPブロックまで、広範なデザイン規模やアプリケーションに対応します。
図1:Protium™ X1 Enterprise Prototyping Platform
Protium X1の機能・特長
- 性能・容量
- スケーラブルなパフォーマンス: 数十億ゲートデザインで最大5MHz、シングルFPGAデザインで最大100MHzのパフォーマンスが実現可能
- スケーラブルな回路規模: 数十億ゲートまで拡張できます
- 高速なプロトタイプ立ち上げ
- Palladium® Z1 エンタープライズ・エミュレーション・プラットフォームと共通な統合コンパイル環境(図2)
- エミュレーションからプロトタイピングに数日で移行することができ、より早期なファームウェア開発が可能
- FPGA向け論理変更が不要
- マルチユーザー機能/リモートアクセス
図2:ケイデンスのPalladium X1とProtium X1の統合環境
Protium X1 によるリモートアクセス
Protium X1は、リモートアクセスを支援する各種テクノロジ・ソリューションをサポートしており、遠隔地からソフトウェアの開発が可能です(図3)。
主な機能として、
- マルチユーザー機能
- IPのSW開発やリグレッションのコンフィグレーションがより容易化したことに加え、複数のジョブの並列実行可能
- 仮想技術を使った各種アプリケーションサポート
- AVIP(Accelerated Verification IP)による仮想化技術
- Palladiumの仮想化ソリューションのサポート
- ISSなどの高速プロセッサモデルの接続、HW/SW協調検証環境
- プロトタイプ実行制御
- クロックを停止しその上でメモリのデータ解析、HWのデバック
- クロック停止状況からの再スタート
実際、組み込みシステム開発において、HWの問題かSWの問題かを切り分けも課題の1つです。Protium X1は、HWエンジニアとSWエンジニアが離れた場所にいても、共通環境でHW/SWデバックが可能になります。
図3:Protium X1によるリモートアクセス環境
リモートアクセスを支援するソリューションの例
x86ホストと仮想化技術:VirtualBridge(図4)
例えば、DSP,GPUあるいはAIアクセラレータなどは、上位のx86ホストと連動してアプリケーションを実行する構成があります。ケイデンスVirtualBridge™ Adapterは、Palladium、Protium共通で利用できます。
PCにVirtual Machineを実装し、その上にx86系のOSを組み込みます。実システムでは、PCIeによりx86系CPUとASICが接続されますが、VirtualBridgeではPCIeはトランザクション化され、仮想的なプロトコルレベルでの通信になります。
この環境の利点は、リモート環境が容易に構築できることに加え、Virtual Machine環境によりx86系OSを複数構築できることなど、ソフトウェアの自由度と高速性を兼ねそろえていることです。
図4:仮想マシーン上のx86ホストと接続する例
まとめ
今回は、ケイデンスのハードウェア検証プラットフォーム(Palladium/Protium)から、Protium X1の特長の1つであるリモートアクセスを支援するテクノロジー、各種ソリューションを紹介しました。今後もPalladium、Protiumの新規テクノロジー、事例を紹介してまいりました。
Protium X1に関するお問い合わせ:cdsj_info@cadence.com
テクノロジーセールスリード
システム&ベリフィケーション
夏井 聡
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