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Virtuoso Advanced Node 玉手箱
WSPを用いたカラーリングベースのTrack配線
近年の先端テクノロジーでは、微細な配線パターンを実現するために、LELE ( Litho-Etch Litho-Etch ) やSADP ( Self-Aligned Double Patterning ) といった、一つの配線レイヤーを複数枚のマスクを用いて作成する、Multi Patterning技術を採用しています。
これらの新しい技術では、例えば、レイヤー毎に単一の配線方向を用いるといった制限や、ピッチ毎に使用するマスクが決められている(カラーリングが決められている)といった、従来にはなかった設計制約が求められます。
Cadence® Virtuoso® Advanced-Node Platform Layout Suiteの最新バージョンであるICADV12.3では、これらの配線に対する新しい設計要求に向けて、Width Spacing Patterns (WSP)機能 を提供しています。この記事ではWSPの機能をご紹介します。
Width Spacing Patterns ( WSP )
WSPはTrack毎に異なる配線幅、Spacing、およびカラーリング情報を定義することが出来る先端テクノロジー向けにリリースされた新しいTrack配線機能です。

WSPを使用するにはLayout Editor OptionsフォームのWire SnappingをWires = Snap Patternに設定します(図1)。これによってCreate WireやVSRといった配線ツール、moveやcopy等によるキャンバス上での編集作業がWSPに従って動作するようになります。

Create Wireを実行するとTrackに沿って配線を作成します。幅やカラーリングは各Trackの定義に従います(図2)。

Create Wire中に上下層に配線を乗り換える際はマウスのLMB ( Left Mouse Button ) でTrackの交点に自動でViaを配置して乗り換えます(図3)。

Create Wire中にCtrl+Shift+マウス操作で作成中の配線を隣のTrackに移動します。(図4)

Track上の既配線やPin図形を移動すると、幅とカラーリングが、移動先のTrack情報に自動で更新されます(図5)。
WSPの表示

表示するWSPはTrack Pattern Assistantより切り替えます(図6)。 デフォルトでは全レイヤーのWSPが表示されます。


Tracks : Trackだけを表示(図8)

Full : 幅とColoringを表示(図9)
WSPの定義
WSP ManagerよりWSPの定義を行います。いろいろな定義方法があるのですがここでは一例として既存レイアウトよりDeriveによるWSP定義の方法をご紹介します。

DeriveタブよりDrawを実行します(図10)

レイアウトキャンバス上で、マウス操作で範囲を指定します(図11)

WSP Managerが既存レイアウトより認識したTrackパターンをPreviewで確認します(図12)。問題がなければ、このTrackパターンでWSPを作成します。

WSPはlayout viewに保存されます。WSP ManagerのImport機能を用いることで他のlayout viewからWSPをImportすることが出来ます。共通のWSPを準備しておきそこからImportするといった使用方法が可能です。
Initialize from layout
ICADV12.3ISR11より新機能Initialize from layoutが追加になりました。

EditタブのFieldよりRMBメニューから実行します。既存レイアウトから自動でTrackパターンを抽出します。
まとめ
先端プロセスでは、今までにない新しい設計制約が求められます。この記事では、Multi Patterning技術で要求される配線制約に対応したWidth Spacing Patterns ( WSP ) 機能をご紹介しました。ICADV12.3では、他にも、先端プロセスで求められる新しい技術を提供していますので、一度お試し下さい。
2018年5月