- Home
- :
- 会社案内
- :
- Newsroom
- :
- Topics
- :
- Virtuoso Advanced Node 玉手箱
- :
- Advanced Node向けマルチパターンニング機能
Virtuoso Advanced Node 玉手箱
Advanced Node向けマルチパターンニング機能
従来のプロセステクノロジーにおいては、半導体の配線レイヤーは基本的にひとつのレイヤーに対して1枚のマスクが使用されていました。ところが近年の20nm以降の先端テクノロジーではピッチがより狭くなり、リソグラフィの観点から1枚のマスクで実現できる光学的な限界点であるピッチの 80nmをさらに下回る微細な配線パターンを実現しなければいけません。そのソリューションとして用意されたのがマルチパターンニングです。複数のマスクを用いることにより隣り合う図形ピッチをより狭く保つことができ、より微細化が可能になります。
ここでは、Cadence® Virtuoso® Advanced-Node Platform Layout Suite最新バージョンICADV12.3に搭載されているマルチパターンニング機能の幾つかをご紹介します。
Interactive Real-Time Coloring
Virtuoso Layout Suitesには、カラーリングモードとして Interactiveと Manageモードが用意されています。
Interactiveモードは、エディット時に自動ではカラーリングされません。例えばカラーリングの対象となるスペース内に新規の図形を描いたとしてもその図形はカラーリングされません。カラーリングを設計者自身でおこなうモードです(図1)。
Manageモードは、エディット時にカラーリングの対象となるスペース内に新規の図形を描くと、既存の図形のカラーとコンフリクトしないように自動でカラーリングします (図2)。

他の図形に近づけてもカラーリングしません

他の図形に近づけると自動でカラーリングされます

図形に対するカラーリングのコントロール
ICADV12.3では、マルチパターンニングをアシストするための MPT Toolbarが用意されています。カラーリングエンジンのオン/オフの切り替え、カラーのアップデート、カラーの変更やロック及びロック情報の下位階層への伝播等、このMPT Toolbarを用いることでデザインに対するカラーリングのコントロールが容易に行えます。
MPT Toolbarを用いてのカラーリングの他に、Palette Assistantでもカラーリングをコントロール可能です。マニュアルで図形を作成するレイヤーパーパスと、カラー及びロック情報を Palette Assistant上で指定します。
また、個々の図形に対し、Edit Properties Formからもカラー情報を設定できるようになりました。

Width Spacing Pattern(WSP) によるカラーリング
WSPは異なる配線幅及び異なるスペーシングのトラックを事前に定義しておき、そのトラックに沿って配線するという機能です。そのWSPにカラーリング情報を割り当てておくことができます。各配線レイヤーに対するWSPの定義は、WSP Managerで行います。
このWSP Managerには、他のセルビューに定義されているWSPをインポートする機能も装備されています。

WSPにカラー情報が定義されている場合、配線パターンをトラック上に作成・エディットすると、そのトラックにアサインされているカラーで配線パターンが自動的にカラーリングされます。これにより設計者は配線に対するカラーリングを意識することなく効率的に、かつデザインの複雑さを低減し生産性を向上できます。

Coloring & Locking by Synchronous Clone
Synchronous Cloneにおいてカラー及びロック情報の同期がサポートされています。 Clone化されているFigGroup内でパターンをエディットした際のカラー及びカラーのロックと同じ内容が、他のFigGroupにも同時に反映されます。

マスクカラー及びカラーのロック情報が同期します
まとめ
今回ご紹介した内容は、 ICADV12.3 Virtuoso Layout Suitesに搭載されている機能のほんの一部です。これらの機能を用いることにより、先端プロセスの設計で必須となるマルチパターンニングを考慮してのレイアウトが、効率的かつ容易に行えるようになります。
今後引き続き Advanced Node向けのレイアウトに便利な機能をご紹介していきます。 乞うご期待!
2018年5月