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Virtuoso Advanced Node 玉手箱
Virtuoso® Layout Suiteのユーザビリティ
16nm以降の先端テクノロジーでは、様々な新アーキテクチャが登場しています。レイアウト設計者が、これまでと同様もしくはこれまでを上回る効率的なレイアウト設計を進められるようにVirtuoso® Layout Suiteも様々な機能をリリースしております。この記事では、レイアウト設計におけるユーザビリティの向上を実現する、Cadence® Virtuoso® Advanced-Node Platform Layout Suite最新バージョンICADV12.3の便利機能の幾つかをご紹介します。
Dynamic Selection Assistant
カーソルの置かれている箇所(座標)に存在するインスタンスやオブジェクトの情報をDynamic Selection Assistantにリストする機能です。このAssistantを用いると、一目でオブジェクトの重なりを確認することができます。
Dynamic “Selection” Assistantですので、Assistantにリストされたオブジェクトを「Assistantから」選択可能です。Assistantのリストからオブジェクトをクリックすると、キャンバス上のオブジェクトもシンクロし選択状態となります。また、Assistant上でカーソルを移動させると、キャンバス上の対応するオブジェクトの外形がハイライトされます。
※Dynamic Selection Assistantでオブジェクトの重なりをリストするカーソルの位置は、バインドキーのCtrl+hで固定することができます。

Dynamic Selection AssistantはICADV12.3だけでなく、従来のプロセス向けの標準開発環境Virtuoso® Layout Suite IC617でもご利用いただける機能です。ICADV12.3のみならず、IC617をご利用のユーザーにも非常に有効な機能ですので是非お試しください。
Layer Palette/MPT Support
他の記事でも取り上げられているように、先端テクノロジーではひとつのレイヤーに対して複数のマスクを用いることで、微細な配線パターンを実現しています。ひとつのレイヤーに対する「複数のマスク」は“Coloring”という情報で表現します。そしてICADV12.3ではMultiple-Patternをサポートしており、Coloringに関するユーザビリティ向上の一環として、Layer PaletteにMPT Supportモードが新規に用意されています。
MPT Supportモードでは、レイヤーとそのColoring情報をPaletteから選択し、配線などの図形を作成できます。
Paletteの上で右クリックし、表示されるコンテキストメニューから“MPT Support”をONにすると、PaletteがMPT Supportモードへ切り替わります。利用手順はこれまでと同様です。アクティヴ・レイヤーをPalette上から選択し、配線や図形を作成します。


Track Pattern Assistant
SADP ( Self-Aligned Double Patterning ) を採用しているプロセスでは、配線で使用されるパターンをあらかじめ定義しておくというフローが非常に効果的です。ケイデンスでは、Width Spacing Pattern(以下、WSP)という機能をICADV12.3に搭載しています。配線のWidth, Spacing, Mask ( Coloring ) をVirtuosoの配線機能に認識させることで、先端テクノロジーのレイアウト設計における配線工数の削減を実現しています。
WSPなどの先端テクノロジーで多く利用されるTrack Patternですが、レイアウト設計時において表示の切り替えを柔軟に行えると、さらなる設計効率の向上が見込めます。Track Patternを利用する上で、Track Pattern Assistantは非常に有効な機能です。
Track Pattern Assistantでは、キャンバス上に表示されている各配線層に対するTrack Patternの表示を簡単に変更することができます。

上記ではGFG ( Global Fin Grid ) に加え、PolyからMetal5までのTrack Patternがキャンバスに表示されています。デザインに含まれる全てのTrack Patternが表示され、かつDisplay(=表示形式)がFullの状態では、図4のようにTrack Patternでキャンバスが埋め尽くされてしまいます。そこで、Track Pattern Assistantを用います。必要なレイヤーのTrack Patternのみを表示する、Track Patternの表示をFull/Track/Boundary/Periodのいずれかに切り替えるなどの操作でキャンバスにユーザーが必要とする情報のみを表示します。

まとめ
この記事では、Dynamic Selection Assistant、Layer PaletteのMPT Support、Track Pattern Assistantの3つの機能を紹介させていただきました。冒頭で述べたように先端テクノロジーでは、これまでにない新アーキテクチャがレイアウト設計に求められるようになります。ICADV12.3では、これまでのVirtuosoユーザーはもちろん、新規にVirtuosoを利用してレイアウト設計を始めるユーザーにも、快適にレイアウト設計を進めていただける機能を随時リリースしております。この記事でご紹介できなかった、先端テクノロジーのレイアウト設計に効果的な機能が多数用意されていますので、是非、ICADV12.3をお試しください。
2018年5月